安泰寺

A N T A I J I

参禅者心得


何をしに来るのか

Hondo

 安泰寺は仏菩薩の道場であり、真面目な求道者の集まる叢林です。

 ここでの坐禅や作務などは生活の一部分として行われているのではなく、むしろ一日二十四時間の生活は生きた禅の現れでなければなりません。そうした毎日の生活の中でこそ禅仏教の教え、宗教的な生き方が実現されるべきですし、そうした日常的な生命の働き以外に修行はありえません。

 また安泰寺の生活は、精神的な指導や心の安らぎ、浮世を離れた山の静けさや大自然に適った優雅な共同生活などではありません。  
 真実の道や永遠の幸福のようなものを望んでいても、そういったものは皆無と思ってください。

 安泰寺は自分自身の人生を菩薩修行として創造していく場所に他なりません。修行者は協調性をもって生活しなければならないのは勿論ですが、他の援助を期待したり、教育されたりすることはないので、自分の修行は自分でしなければなりません。
 いちばん大事なことは自分の方へ仏道を引き寄せるのではなく、自分の身も思いをも仏道の方へ投げ入れることです。しかし、そのためには先ず自分は何のために安泰寺に来たのか、ここで何を修行しようとしているのか、をハッキリと自覚してもらわなければなりません。

 自分が今生きているこの瞬間の命のほかに期待するものがあれば、必ず失望するでしょう。自分をも人をも誤魔化さずに、私は一体何をしにここへ来たのか、と自分に問いかけてもらいたい。


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